恋の季節
圭:今年の春も渡りの常連鳥達が楽しませてくれたな。いつも見かける鳥のどれを見逃してもなんか気落ちするもんや。
和:せやな。コマドリが来て“あぁ始まったな”と思い、メボソが来て“そろそろ終わりかぁ”って毎年思うよね。
圭:けど、渡りの鳥を見るのも楽しいけど、いつも大阪城に居る鳥の意外な面とか、カワイイ仕草を見るのも楽しいよな。
和:求愛行動なんか見るのも面白いで。ドバトのオスが必死にプロポーズするのに、メスに冷たくあしらわれてたり、ペアになったシジュウカラのメスが可愛い声出してオスに甘えてたりね。
圭:意外な表情を見せるのはカラスやな。見たやろ、市民の森でえらい仲良うしとったカラス。
和:うん。
あれはまさにラブラブやったな。
圭:オスが必死でなんとかメスに振り向いてもらおとしてプロポーズしてるのはよ
く見かけるけど、二羽が仲むつまじく寄り添ってる姿て見かけんもんな。
和:でも、あのカラスは寄り添ってお互いウットリした目で見つめ合ってたよな。時々嘴で相手の体を撫でたりして、優しいのなんの。ラブラブ光線パチパチってカンジやった。
圭:いつもは邪魔者扱いするけど、カラスもカワイイとこあるやないかて思ったで。
和:たまにはあんな風に優しくしていただきたいものやな。
圭:だったらあんな風にカワイイ表情を見せて頂きたいものやな。
58号掲載(2003年4月)