セ・ミ・し・ぐ・れ
和:毎日暑いなぁ~。こう暑いと鳥見に行こゆう気も萎えるよな。
圭:そうやな。大阪城は鳥もおらんし、クマゼミの大合唱やもんな。
和:うんうん。あの声聞いたら気が変になりそうやわ。暑さも倍増や。
圭:ヒヨドリはセミ食べてるよな。あの口にはちょっと大きすぎる気もするけど、腹もちは良さそうやな。
和:セミをたらふく食べて夏を乗り切って、秋には渡って行くやつもおるんやろな。セミって結構滋養強壮になるのかも。夏バテ防止に一匹いかが?
圭:いらんいらん。セミ食べる位やったら夏バテの方がええわ。
和:この時期普通種の鳥でも数が少なくなるのは、セミがうるさいのがたまらんからっていうのもあるかもしれへんな。
圭:ヒヨドリもホンマは食欲を満たす為と違って、あの声にムカついてつついてるのかもしれへんで。
和:けど、あのうるさい声も、鳥で言えば囀りになるわけやな。私ら人間からしたらあれを“囀り”とは思わへんけど、鳥にはどう聞こえてるんやろ。
圭:エサの在りかを知らせる声・・・やろか。同じ囀りでもヒヨドリは何年も囀れるのにセミはたった10日程なんやな。
和:一生一度の恋を実らす為に鳴いていると思ったら、あの声もちょっと我慢したげよいう気になるカモ。
圭:そのセリフ、あの大合唱真盛りの市民の森のド真中で言えるものなら言うてみ。
和:うっ・・・・言えません。
43号掲載(2000年8月)