ホームへリンク

大阪城公園鳥だよりって何にリンク読み物コーナースタッフからへリンク大阪城公園の野鳥へリンク大阪城公園探鳥案内へリンク大阪城公園の蝶へリンク大阪城公園の四季へリンクリンクページへリンク

読み物コーナータイトル

巻頭言へリンクゆきちゃんの探鳥絵日記にリンクれいこの落書きへリンク鳥バカ夫婦の二人言へリンク探鳥は楽し、探蝶も楽しにリンク


お便りコーナーへリンク

タイトル1 自己紹介へリンク

Xデー ~新たなる生命体?~

…20XX年 X月 X日
気温28℃、湿度83%体中に湿気が纏わり付く不快な夜、シャワーを浴び夜涼みに大阪城公園に向かう。濡れタオルを首に掛け片手には缶ビール、もう一方の手にも缶ビール。適当なところに腰をおろし冷えたビールを一気に流し込む。一本目で火照りを冷まし、二本目でほろ酔い気分。虫の音ひとつ聞こえない静寂の夜。
ライトアップされ朧気に浮かぶ天守閣を眺めながら、ここで出会った様々な生き物たちのことを思う。
と、その時、ひと筋の光が夜空を切り裂いた。流れ星か、いや、それなら消滅するはず。光の糸は音もなく天守閣をかすめ市民の森へ落下。瞬く間に真っ白な閃光が大阪城公園を包み込んだ。
数秒後、奪われた視力が回復し落下地点に目を向ける。何事もなかったように静寂に包まれていた。
一体何が起こったのだ、夢か幻か、はたまたとうとうオツムがアルコール漬けに???

…翌朝
いつも通り公園内を練り歩く、湿度は昨夜以上、気温は上昇し不快指数は90%を優に超えているだろう。枝移りする鳥、ひらひら舞う蝶の姿もなく静寂さだけは昨夜のまま。
市民の森では多量に水分を含んだ木々に苔類の鮮やかに緑が映える。その美しさを間近で見ていたその時。なんだっ、これは!!! 目の当たりにしたものに一瞬凍りついた。

まっ、まさか、昨夜の光の正体はこれなのか! 
体長は30㎝以上、ナメクジのような体色に粘膜が光り輝く、ヘビが轆轤を巻くように体をくねらせ扇形の頭部を左右に動かしながらゆっくり進んでいる。まるで頭部が触角の機能を持っているように。
しかし、この生命体は一体何処から来たのだ。何のために大阪城公園に姿を現したのだ。そもそも、これは地球外生命体なのか、新たなる生命体なのか!?
そしてその生命体は、一瞬にして私を虜にしてしまったのだ。

…検証
写真を元に苦手なパソコンを駆使し多角的にこの生命体を調べてみた。
生態は私の知識の範疇を超え、とても理解出来ない。ミミズやカタツムリ、ナメクジを餌としているという事以外は。
分類学上は動物界・扁形動物門・渦虫網・渦虫目・コウガイビル亜目・コウガイビル科・コウガイビル属に分類され、その名をオオミスジコウガイビルという。

大阪城公園で、これまで出会ったことのない生き物とまた新たなる出会いがあった。
今私は、アカショウビンよりも、クロマダラソテツシジミよりも彼との出会いを最も待ち望んでいる。
Xデー、再会の時はいつだろうか。

 

1回へリンク32回へ  このページのトップへ  34回へ2回へリンク