プレゼント 〜冬の使者〜
やっと大阪城公園に冬がきた。
今冬、多くの越冬種で賑わっている大阪城公園だが12月2日の観察まで30羽前後と少なかったユリカモメ、何かもの足らない冬。しかしその心配も然にあらず12月9日には東外堀で204羽が着水。やはりユリカモメは群れでなければ冬が来た気がしない、私にとっては冬の使者。
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以前、ユリカモメにパンを投げ与えている男性に声をかけられた。胸の双眼鏡を見て「野鳥観察ですか?カモメに餌を与えても良いんですかねぇ?こんなところに餌があるとは思えないんで」と。男性の横で、まん丸い目をした愛犬が私を見つめる。
気持ちは分かるが「ダメです!」と言わなければならない。しかし餌をねだりホバリングするユリカモメ、まん丸い目をした愛犬に見つめられるとそのひと言がでてこない。「野鳥は人間より遙か昔から自然を相手に生活し、生き続けていますから餌をあげなくても大丈夫ですよ」と答え、暫しユリカモメの表情を眺める。
クルクル回るユリカモメ・・・むむっ、クルクル回る・・・これはひょっとして・・・
気になったのがユリカモメの旋回方向、パンおじさんの前で数秒ホバリングの後旋回しまたパンおじさんの前へ、その殆どが左回り???
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それ以来パンおじさんを見掛ける度に個体数と旋回方向をチェック!
2008年11月30日の観察から23度の観察機会、延べ個体数概算664羽、うち15羽程度が右旋回で後は全て左旋回。その確率たるやなんと97.7%!申し合わせたわけではないだろうに、なんという統率力!
上昇する時はバラバラなのだが・・・
寒空の中、風の赴くまま舞い上がるユリカモメの群れを仰ぎ見、この話題をプレゼントしてくれて「ありがとう」と呟く。今宵は同じ空でプレゼントを担いだサンタクロースが行き交うことだろう。