レイニーディ 〜出会い〜
昨日までのうだるような暑さを洗い流すように降りしきる雨。天空では夏の終わりを告げる雷鳴。野鳥や蝶との出会いが多いはずの9月23日、静まりかえった大阪城公園を歩き始める。
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厳しい残暑の中、コルリ、コサメビタキの飛来を始め、夏鳥たちの南へ向かう旅が始まった。それからひと月余り、キビタキやオオルリなど何処を歩いても夏鳥たちと出会う。
軽やかに枝移りする彼らを凝視する。酷暑だった今夏を乗り切り大仕事を終え達成感に満ちあふれた姿は、春に出会った彼らと面持ちが違って見える。
初々しく不安げな表情の若鳥、生まれ育った地を離れ初めて訪れる大阪城公園、勿論初めての出会い。「この先、まだまだ長い旅が待っているぞ、無事南の地に辿り着くんだぞ!」心の中で語りかけながら、束の間の出会いに時を費やす。
おととし、生涯忘れる事のない出会いとなったクロマダラソテツシジミ。さきおととしの秋、宝塚で観察の新聞報道以来出会いを待ち続け翌年8月24日、炎天下の天守閣前で目の当たりにした光景は瞼に焼き付いている。
恋い焦がれた蝶との出会い「一度出会えば毎年会える」そう思い、足下で舞う蝶を見つける度に腰をかがめ目を凝らす。しかし、残念ながら今年は未だ出会えずにいる。
自然相手の出会い、必ずしも願いが叶うわけではない、頭では充分理解しているのだが欲ボケだろうか、いつしか自分本意の楽しみを創りだし、彼らを深く知ろうともせず「出会いたい」という思いだけで、通い続けている身勝手な自分に気付かされる。
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季節を越えた出会い、初めての出会い、恋い焦がれた出会い、心に残る出会い、偶然の出会い、これまで数え切れないほど野鳥や蝶と出会い、その数だけ“新しい自分”を発見出来たような気がする。
そう思いながら歩き続けた、彼らとの出会いが少ない雨の大阪城公園で・・・
ディスカバリー、それは出会いを意味する事なのか・・・
それとも多くの生き物と出会える大阪城公園が、
ディスカバリーそのものなのか・・・