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パピヨン 〜命を賭けた脱出〜

フランス語で蝶の事を『パピヨン』という、そしてこのタイトルで映画パピヨンを思い出す人も多いだろう。

胸に蝶の入れ墨をした金庫破りの通称“パピヨン”が殺人罪の濡れ衣を着せられ国籍剥奪の上、島流しなど数々の禁固刑に処せられる。しかしパピヨンは自由を求めて幾度となく脱獄を繰り返すもことごとく捕えられその都度刑は重くなり、ついに手枷足枷も不要な絶海の孤島へ…。そこにはパピヨン脱獄の手助けをしたドガが既に服役しており思いもよらぬ再会となる。
平穏な服役生活を望むドガをよそに、荒れ狂う波とサメが行き交う海にココナツの実で作った浮き輪を放り投げ自らも海に飛び込むパピヨン。希望と絶望、それを見守る水平線とドガ、大海原に消えていくパピヨンの姿がラストシーンである。

♪  ♪  ♪  ♪  ♪

長かった梅雨も明け大阪城公園に遅い夏が訪れた。この時期よく目にするのが野鳥に追われ懸命に逃げ惑う蝶の姿、その羽は楔形に切り取られている。野鳥の行動域で舞う蝶は彼らの絶好の的なのか。以前足下にボロボロ羽のアオスジアゲハを発見、人に踏みつけられるのも可哀想なので指に乗せ近くの木へ、間近でじっくり羽を見るのはこれが初めてかも・・・いろんな角度から観てみる。そこで単純な疑問「蝶の羽って何でこんなに目立つんやろう?」であれこれ調べてみると、これがまた面白い。

蝶は高・低温期によって羽の模様が違う、当然野鳥同様♂♀によっても違いはあるが。ジャノメチョウ科の実験報告では高温期には蛇の目模様が大きくなり、低温期では小さくなると報告されている、理由は蝶が活発に活動する高温期は他の生物も活発になる為身を守らなくてはいけない、相手の目を誤摩化す為に蛇の目模様を目立たせる必要がある。とは逆に低温期は蝶の活動が鈍くあまり動かなくなる、その期間は模様を小さくし目立たなくさせると言う事だ。

さらに調べる、捕獲観察をしない私は蝶が目に入るととにかく目で追う、しかしそのスピードたるやツバメをも凌ぐスピード?長距離を直線的に飛ぶ事はほとんど無く数メートル単位での急旋回が厄介、識別に苦労している訳だがその速度の測定報告があった、ヨーロッパで害虫とされるシロチョウ科のオオモンシロチョウは19.2km/h、大阪城公園でも多く観察出来るイチモンジセセリはなんと15.6〜30km/hで飛翔する。自転車で走っているスピードとほぼ同じだ、大きくて精々7〜8センチの蝶にそのスピードで急旋回されると見失うのも納得か?

蝶の生態を調べてみるとディスカバリー?だらけ、とても書き尽くせない。そして当たり前のように目にする羽を広げての日光浴、遡って調べると昆虫の羽は飛ぶ為にできた器官では無く、元々体温を上昇させる為に大きくなったとの研究報告。飛ぶ為に羽が発達したと思っていたが、体温を上昇させる為に体の一部を発達させそれを飛ぶ為の器官にしていたとは・・・脳がひっくり返る程のディスカバリー?

大阪城とつばめのコラージュ

生命を左右する美しく様々な機能を持った“蝶の羽”。天寿を全うする為逃げ惑う姿に遭遇するとなぜか『パピヨン』を思い出す。

実話を映画化したパピヨン、主人公は無事漂着し自由を手にした、その後13年に渡る脱獄劇を小説にし世界的大ヒット、国籍を剥奪されたはずのフランス政府から国民栄誉賞を受賞し母国の土を踏んだ、3年後天寿を全うしこの世を去った。この事実の方がもっとディスカバリー?

 

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