イマジン 〜無形の美・歌声〜
元ビートルズのメンバー、ジョン・レノンはグループ解散後、平和を願いその想いを歌に託し数々の名曲を私たちに残してくれた。その中でも『イマジン』は世界中で愛され続けている代表的な作品であろう。
新緑の薫りを運ぶ風に似たやわらかな調べ、ジョンの語りかけるようなやさしい歌声。この世から争いが消え、人をいたわり、生き物を思いやり、自然を慈しむ人々の幸せに満ちた笑顔、世界中で響き渡る笑い声、そんな光景が目に浮かぶ。『イマジン』それは『想像してごらん』という意味だ。
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今春、桜花に包まれた大阪城公園にやって来たオオルリに始まりコマドリ、キビタキ、クロツグミなど次々に飛来、4月下旬にはカラアカハラ一色、G・W明けには人気者のサンコウチョウが立ち寄ってくれ、コメボソムシクイが「私が最後だよ」と森中に囀りを響かせ春の渡りは終焉を迎えた。大賑わいだった一月半が嘘のように静まりかえり蝉の大合唱が始まる盛夏が訪れるまで静寂に包まれる時が流れるだろう。
春の渡りは秋にはない楽しみがある、色鮮やかな容姿に劣る事のない囀りがそうだ。大阪城公園ではこの時期にしか耳にする事の出来ない彼らの歌声、木漏れ日の森に響き渡る歌声にしばし目を閉じ耳を傾けてみる。様々な歌声を聞きながら、懸命に歌い続ける声主を思い浮かべてみるオオルリ、キビタキ、ツグミの仲間やムシクイ類など脳裏にその姿や動きがくっきり浮かび上がるってくる、だがどうしてだろう、何か物足らない、どんなに思い浮かべようとしても想像出来ない姿がある、そうだ「声」だ!彼らの美しい歌声には姿形はない。
「声」っていったいどんな姿をしているのだろう、丸いのか長いのか、大きいのか小さいのか、声主同様鮮やかな色なのだろうか、ひらひらと飛んでいるのか、小忙しく動いているのか・・・私たち人間は鳥と出会って今日まで様々な囀りに魅了され癒し続けられてきたが、その姿を見た人は誰一人としていない。姿形を持たない「歌声」の不思議な魅力、私たち人間はその姿を永遠に見る事はないのだろうか。
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『想像してごらん』鳥たちの美しい歌声の姿を・・・
そして、平和を願い続けたジョンの歌声の形を・・・
答えのない今回のディスカバリー、もし答えがあるとすれば、それはきっとあなたの心の中に・・・