アイコンタクト 〜眼は言葉以上に…〜
梅雨明けから一週間、昨年と違い容赦ない猛暑が大阪城公園に襲いかかる、この時期野鳥で楽しむのはかなりキツい、体力的にも。気持を切らさずに居られるのは蝶のお陰。多くの種と出会えるわけではないが彼らの行動や表情を観ていると暑さを忘れてつい夢中になってしまう。
野鳥と違い比較的接近して撮影出来る蝶。アップで撮影出来るうえパソコンで画像を拡大して見る事が出来、様々な表情が見て取れる。取り分け気になるのが“眼”。拡大してみると種によってその色は様々、黒、緑、白に黒い班があるものetc…。
ねっ、この眼どう見てもこっちを見ているようにしか思えないでしょ?
という事で、今回は蝶の眼について調べてみた。
ふむふむ、なるほど…のディスカバリー?をご紹介。
そんなに見えているのか?
蝶の眼はたくさんの小さな個眼(アゲハの場合、♀約1万5千個、♂約1万千個)があり個眼の集合体を複眼という、左右で一対。頭部の殆どが眼の蝶、その視野はある蝶で344度、動かなくてもほぼ全てが見えているのだ。
なんとも驚きの視野!
では、映像はどうだろうか?
人間は約1億2千万個の視細胞で映像を捉え約100万本の視神経を介して脳に伝える。蝶の場合約1万5千〜1万8千個の個眼で景色を捉えて、ひとつの映像としてみているようだ。デジタルカメラでいえば、人間は約100万画素、蝶は約1万5千〜1万8千画素という事になる。その上、蝶の視野は人間より広いので解像度はかなり低い。
メガネが要るかな?
次に動くものに対する反応は?
光が点滅するスピードをヘルツ(Hz)という。蛍光灯は1秒間に100〜120回点滅しているので100〜120Hz、人間の眼では点滅しているようには見えない。人間は50Hz以下だと点滅している光を感知出来る、切れかけの蛍光灯は50Hz以下という事になる。
蝶の視細胞の処理能力は150Hzといわれており人間の約1.5倍、我々が使っている蛍光灯では常に切れかけの状態でチカチカして見えている事になる。動くものにはかなり感度が高い。
この動体視力、イチローより凄い!(当然か?)
そして、何より気になるこっちを向いているかのような眼。
これは“偽瞳孔(ぎどうこう)”といって…
この説明をすると夢のない話になってしまいそうなので…
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
家電製品を引き合いに説明したが、蝶はボタンを押せば動く器械ではなく、我々同様いのちある生き物、視線を合わせ彼らに語りかけていると心が通じ合うような・・・
最近そんな事を想いながら出会いを楽しみにしている。
枯れ草にぶら下がり、ゆっくり眠っているような眼、声を持たない彼らは“この眼で言葉以上に語りかけているんだ”私にはそう想えて・・・。