幸運? 不運?
鳥見人待望の春の渡り、三月・四月は、多事多難で登城しなかった。
やっと5月22日の大阪城定例探鳥会に、参加できた。
久しぶりの公園では若者達(特に女の子)が大行列を作っている。
あーあ、春の渡りもこの人出では、もう終わりか。と嘆いていたら、市民の森から「トッキョッ キョカキョク」とホトトギスの声!久しぶりに聞く朗らかな声につられて、こっちや、あっちやと振り回された。
太陽の広場の仮設イベント会場から、韓国語の歌が流れ出して、東北大震災のチャリティコンサートの為の大行列だったと知る。
今にも泣き出しそうだった空模様が、大粒の雨になり、ピース大阪の軒先に逃げ込んで鳥合わせになった。ホトトギスを確認した幸運な人は数名、我々不運な仲間も、声を聞いただけでも幸運と慰めあう。
ホトトギスにとって幸運は、託卵したウグイスが子育て上手である事。
自分は何もしないで、子孫を残す事ができる。なんと厚かましい鳥、と思っていたが、低体温で卵を孵すことができない。と聞くと、子育ての喜怒哀楽を味わえないのが、不憫になる。
仮親にされたウグイスは、自分の卵を食べられたり、捨てられたりしているのに、敵の養子にせっせと餌運びして、自分の五・六倍の鬼っ子に育てあげる。なんと不憫なこと。どうやら大きな赤い口と、腹減ったと哀れそうにせがむ声に、マインドコントロールされてるらしい。 不運な話。
今朝のホトトギスは、今何所で雨宿りし、どこのウグイス を泣かせに行くのか?
大行列の若者はどうしてるのか、と考えながら、ドシャブリの中を自転車で帰る。
百円均一のビニール合羽は、破れてしまった。
びしょ濡れの着衣を、干していると、雨は止み薄日がさした。今日の鳥見は幸運?不運?
大震災に翻弄された不運な東北の人々!希望を持ち続けてさえいれば、きっと幸運はめぐってくると、私は信じたい。祈っています。