待望の秋
立秋が過ぎたというのに、真夏日が続く大阪城公園は、ガーンと頭に響く蝉の声で沸き立っているようです。でも秋は忍び足でやってきました。人口川にはアカトンボが。イチョウの緑葉の間からは、こぼれそうにふくらんだギンナンが覗いています。今別府さんから戴いて冷凍していたのを思い出し久し振りに賞味したら、ほろ苦い思い出も甦ってきました。
珍鳥コノハズクを小島君が見つけた時、地面のギンナンに気を取られて上を見なかった私は、貴重なチャンスを逃したのです。「二度と同じへまはせえへんでえ」とその日以来、イチョウは気になる樹になりました。
お盆が来て蝉声も心なしか弱まり、ころりと地に落ちて、ヒヨドリやアリの腹中に納まり土に帰っていきます。さあ、渡りの鳥たちの出番です。ムシクイ、コルリ、サンコウチョウを先達として、にぎやかなことでしょう。コノハズクはくるかな?楽しみやなあ。
43号掲載(2000年8月)