幸運と不運
生垣の隙間に首を突っ込んだらマミジロ♂がキョトンと立っていた。茶室の庭がぱっと明るく感じられた。飛び立った後幸運の余韻に浸る。
「サンショウクイが飛び回っていたよ、その桜の枝にアオバトが止まった」今春の桜回廊での立ち話。不運にも出会わなかった。その日は私も長く粘ったのに・・・
どうしようもない時の流れに翻弄されながら私達は生きている。あの時あの場所に居合わせた幸運不運をこの春は強く感じさせる。吉の運命ばかり
を選びとることは出来ない。だったら禍転じて福にするよう心がけよう!
人生生きてるだけで丸儲け!をモットーにして・・・列車事故に遭わなかった幸運を噛みしめ、不運な人々の冥福を祈りつつ薫風の中を鳥を探して歩く。マナーの悪いカメラマン達を避けテープの囀りに騙されないよう用心しながら。サンコウチョウはどこかいなと幸運を祈る。
68号掲載(2005年5月)