地味なヒタキ三種
今秋はコサメビタキが多い。軽快に空中で虫を捕食する姿を度々見かけた。サメビタキはまだ見つけていない。今年だけでなく、ここ二三年見ていない。残念やなあ。エゾビタキにはちょいちょい出会うのに。
エゾビタキをコサメビタキと思い込んでいたじゅんちゃんにも二三年会っていない。「だって胸に小雨が降るような模様があるでしょ」と澄まして言われて、成る程なと納得したりしていた。
ブルーテントや無作法カメラマンに辟易して足が遠退いてしまった人。茂みの陰にひっそりと英字新聞を読みながら、根気良く鳥の出るのを待っていた人。今はどこでこの円らなヒタキ達の瞳を見詰めてはるんやろ。のんびりと鳥見人が集まっていた頃が懐かしい。枝を立て餌をばら撒いて目立つ鳥ばかりを追いかけ、場所取りで喧嘩をする人達が横行するのは嫌!私は地味なヒタキをじっくり見ることにしよう。サメちゃん見つけたいな。
55号掲載(2002年10月)