父さん・母さん大忙し
西の丸でコルリを撮ろうと、やらせカメラマンが餌を撒いている。ところがお目当てのコルリはなかなか現れず、スズメが入れ替わり立ち代り頂戴していく。バイキング料理に群がる人々さながら・・・
やらせ人はシッシッと追い払おうとするが、多勢に無勢、あっと言う間に餌は消える。子供にご馳走を運ぶ母ちゃんたちは、人を恐れ無い。私の脇を掠めて、目の前の樹に止まるコゲラがいた。なんと2・3匹虫をぶら下げて、まだ探す気だ。「ギギッと一声で折角の獲物を落としまっせ。はよ雛のとこへ持ってったり」・・・
親と同じ大きさになったけど、ぼんやり淡い羽色で嘴の黄色い雛が親に甘える姿を見かける。この子達の何割が、次の世代に生を繋ぐのだろう。千の風の歌詞にあるように身近にいてくれるのを願う。
タンポポは綿毛になりハリエンジュや楠の花が芳香を放ち始めて春の渡りのピークは去った。大阪城で孵った鳥たちの天下が近づいてきた。鳥も鳥見人も少なくなって、静かで良いねえ。
77号掲載(2007年5月)