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タイトル81 自己紹介へ

カワセミ

教育塔前から南外堀をのぞき込むとカワセミがとまっている。水面を見つめるカワセミは、上から見ている私に気付いていない。とりあえず数枚シャッターを押して後ろに下がる。食事の邪魔をする気はない。
藤棚のベンチに座って南外堀をぼんやり眺める。自宅を出てから2時間ずっと歩いているので少し休みたい。
向かいの石垣沿いを泳いでいるのはハシビロガモヒドリガモ。中央辺りから東へ進んでいるのがヨシガモ3羽。大手門下に集まっているのがキンクロハジロの小群。
サラリーマンたちの足音が後ろから聞こえる。ゆっくりとジョギングを楽しむ人たち。犬を連れた散歩の人。何と言うことはないいつもの朝。

時々自分の馬鹿さ加減に両手で耳を塞ぎたくなる。どうしてもバランスが取れない。
「この世に生れて、生きて、死んでいく。これだけでたいしたもんだ」
誰かに聞いたのか、本で読んだのか覚えていないが、最近この台詞が気にいっている。
立ちあがってもう一度堀の下をのぞき込むとカワセミはもういない。飛んでいったようだ。魚が見つけられなかったのか、それともうまく捕えられたのか。満足して飛んでいったのか。

端のベンチで一人の会社員風の若い男性がバッグから書類を出し、何やら声を出している。今日は重要なプレゼンでもあるのだろう。懐かしい思いが心に上がってくる。私も通勤の途中にぶつぶつ声に出して練習した事もあった。
頑張れ!がんばれ!成功を祈ると心の中で声をかけて歩き出す。大手前広場をゆっくり進んで西外堀をのぞくと、「ツッチー」の鳴き声とともに翡翠色を輝かせて水面を一直線にすべるカワセミ。
ここから大手門をくぐって城内に入っていく。いつものコースだ。

カワセミの写真

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