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タイトル57 自己紹介へ

増えるカワウ
大阪城公園でも普通種に!

西の丸庭園の坤やぐら跡の下の石垣に十数羽のカワウが休んでいる。羽を広げているものや水中のカワウと場所を争っているもの。すでに頭が白くなっているものなど。
しかし普通に見られるようになったのは最近のことで、初記録は1994年4月17日、7羽が上空通過、同年12月30日に南外堀に1羽着水だった。
翌年に初撮影した時の観察文は次のようだ。

□   □   □

1995年12月29日早朝、小雨の降るなか南外堀でカモのカウント中にカワウが着水。急いで車に駆け戻りカメラを出す。心臓の鼓動が激しく胸が苦しい。最近こんな一生懸命走ったことがない。体力の低下を感じる。
雨足が強くなる。無情。メガネが水滴で曇りよく見えない。カメラにも雨。15分ほどで飛び去る。撮影不能。無念。
翌日の早朝4羽が飛翔。南外堀の上を旋回して飛び去る。高度からすると南外堀から飛び立った様子。
正月の三箇日はカワウに賭ける予定をたてる。3日間で何とか撮影を成功させたい。
やって来る可能性は十分にあると自分に言い聞かせる。
元日5時過ぎ目が覚める。窓の外を見るといまだ夜は明けず真っ暗ながら雨は降っていない。しばらく床の中でまどろみながらカワウを夢見る。6時起床朝食。7時南外堀に到着。

□   □   □

7時30分カワウがあらわれ低く飛ぶ。祈りながら目で追う。カワウ着水。しかし暗く露出厳しいうえ距離も遠い。
前回の行動からこちらの方向に来ると予測し、追いかけず植え込みに体を隠して待つ。
カワウが潜水を繰り返しながら徐々に近づいてくるが距離は100メートル。逆光の水面が輝く。
波紋にカワウのシルエットに狙いを変える。十数枚シャッターを切るが条件は非常に悪い。
やがて願い空しく飛び立つ。双眼鏡の中でカワウが小さくなっていく。今しばらくいてほしかった。残念辛い悔しい。

□   □   □

風が出てきて冷える、芯から冷える。カメラの前を行ったり来たりして体を温めて待つ。
1時間、2時間。突然目の前をカワウが飛翔着水し20センチを超える魚を飲み込む。
日も昇って条件は完璧。カワウの動きに合わせ移動しながら撮影続ける。
ファインダーの中でカワウと目が合う。約100枚ほど興奮して撮影。成功。
カワウ飛び立つ。小さくなっていくカワウに心の中で手を振りながら見送る。
緊張感から一気に解放され、充実感に満たされる。その場に座り込んで煙草を吸う。うまい。

57号掲載(2003年2月)

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