馬酔木
今年のNHKの大河ドラマは「江」。
近江の国の浅井三姉妹の数奇な運命である。長女茶々は豊臣秀吉の側室となり、大坂夏の陣で秀頼とともに自害。山里丸には自刃の地との石碑が立っている。
大阪城公園内に秀吉を祭る豊国神社がある。全国各地に豊国神社があるが、「ほうこく神社」と発音するのは、この大阪城のものと滋賀県長浜市にある豊国神社のみである。あとはすべて「とよくに神社」と読む。
長浜に興味をもって出かけたことがある。黒壁スクエアを散策しているときに、「大通寺のあせび」という看板が目にはいった。
あせびは馬酔木と書く。以前読んだ小説の馬酔木に興味を感じ、頭の片隅に残ったままになっている植物だった。
こんな所でと、偶然見つけたことに喜んで大通寺へ向かった。
しかし、勘違いした事が二つあって、ひとつ背の高さの木だと思っていたこと。もうひとつは、境内にその木が植えられていると思ったこと。
結局、2月ごろに「馬酔木の盆栽展」がその寺で開かれるとのこと。時期が違って何もなく空振りに終わった。
それから数年経った今年の春の初め、内堀沿いに開く花の事をブログに書くと、「馬酔木」だとメールが届いた。驚いたことは言うまでもない。この花だったのか。こんな陽気な花だったのか。
これまで頭の中でかすんでいた事柄がすっきりとつながったように思った。
大阪城公園―豊国神社―長浜―大通寺馬酔木―大阪城馬酔木。そうだったのかといった気分。
今回その後にメジロが続いた。梅にメジロはよく撮影したが、今回は馬酔木にメジロだ。
いい写真は撮れなかったが、大阪城公園から始まった想いの旅が、大阪城公園の馬酔木のメジロで終わったように思った。