ひと夏が過ぎて 。
蝉の声 消えて ヤマガラ1羽。
今月一日に音楽堂西側上で、ヤマガラを見つけた。
あれほど暑かったのに、日陰にはいると風が心地よい。蝉の声も耳にしない。
■7月の「サンコウチョウ」
これまで7月には一度も観察された事がない。♂♀成幼は不明、尾の短い奴だった。みどりのリズムで、ひと時もじっととまっていることなく、鳴きながら飛びまわった。何とか双眼鏡に入れようと、頑張ったが、一瞬捉えるのが精一杯。やがて市民の森方向へ鳴声とともに去って行った。
■名画「いそしぎ」
映画は思い出さなくても、音楽を耳にすると、誰でも、あぁ…この曲!となる。「いそしぎ」
8/21南外堀の南東側から、一番やぐら下を見て驚く。
何と、イソシギが2羽、そこへ向かいの石垣からもう1羽。
大阪城公園では、極まれに1羽が見られる程度のイソシギ。それが3羽も。やったぁ!。
還暦過ぎのおっさんが、早朝からこんな所で、ひとり感激してるとは、誰も知らない。定点観察を続けている者のみに与えられた、密かな喜び。頭の中を、あのメロディーが、ゆっくり流れる。
■「ザ・ビッグイヤー」を読む。
数年前に話題になった本。この鳥閑期に読んだ。((株)アスペクト。マーク・オブマシック著、朝倉和子訳。)
サブタイトルは、「世界最大のバードウオッチング競技会に挑む男と鳥の狂詩曲」とある。内容は、正直それほど引き込まれなかった。地図が頭に浮かばない事や、日本の鳥が好きな私に、北米の鳥がストレートに入ってこなかった事などによる。
しかし、面白かったのはコシマキの文句。
「バカか?偉業か?」
「バカバカしくも崇高な鳥探しに命をかける男たち」
「鳥探しに、命かけてどうする」
「仕事も家庭も棒にふり、1000万円以上注ぎ込み…、男のロマン、バカバカしさ、業の深さを爽やかに描いた傑作ノンフィクション」
鳥見人としては、参った、参った!、自虐的だけど、うまい!!。これ書いた奴は誰や。出て来いっ。ほめてやる。
今でこそ、珍鳥情報に全国を駆け巡る事はなくなったが、そんな昔を思い出させる。携帯電話も無かった頃で、葉書や家の電話に情報をいただくと、それとばかりに、深夜から飛び出したもんだ。
まったく仕事に影響が出なかったかと言えばウソになる。結局、早期退職してしまった。転居先も少し郊外に出れば、安くて広いものがあったのに、大阪城公園にこだわって今の場所。他にも諸々…、私の人生を大きく変えた鳥見。「鳥探しに、人生かけてどうする!」
(2007年9月)