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タイトル61 自己紹介へ

長元坊 チョウゲンボウ

豊国神社に初詣して家内安全を祈願する。年ごとに家族が健康で大過なく一年を過ごせたらと、平凡な暮らしを願うようになってくる。
若い頃は「波乱万丈の生涯は英雄の好むところ」などと粋がっていたのだが、現実にはごく普通の勤め人生活を終え、平々凡々の日々を送っている。

□   □   □ 

さて、初夢は一富士・二鷹・三茄子。とお決まりだが、語源は諸説あるようで駿河の名物を並べたとの説では、四扇・五煙草・・と続くらしい。鳥見人としては一タカ・二カモ・三ツグミといったところ。
今季は大阪城公園では珍しいチョウゲンボウが何度か見られている。空中の一点にとどまって地上の小動物を探すのが得意である。変わった名前なので、由来を調べてみたが分からないらしい。

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凶作が続き飢餓で苦しんでいた村に旅の僧長元坊がやって来た。僧は人々の苦しみを目にすると、村を見下ろす岩山に登り岩棚に座して祈り始めた。
五日たっても十日たっても戻ってこないので、様子を見に行くと、骨と皮ばかりになって祈り続けている。
しかし村には食物の余裕は全くなく、ただ岩山を見上げて手を合わせるだけだった。
やがて3人の村人が河原で亡くなっていた。横には長元坊さまに届けてほしいと、わずかな食物が置いてあった。命に代えて長元坊にすがり村人を助けてほしいとの最後の望みだった。
悲しみの中で村人たちは山に向かい、出来事を告げた途端、長元坊の身体は大きく揺れそのまま崖底へと真逆さまに落ちていった。
翌年は、村が始まって以来の大豊作に恵まれ喜び賑わった。村はずれの四つの墓にもたくさんの供物が並び、手を合わせる人が絶えなかった。
やがて畑の上で作物の出来を確かめるかのように停飛する鷹に気づいた村人たちは、その鷹を長元坊と呼ぶようになった。 長元坊が飛来した畑は豊作になると言われ、畑の主はたいそう喜んだ。
今も、この山村では岩山にチョウゲンボウが営巣し、畑に飛来すると縁起が良いと赤飯で祝う風習がある。
秋にはチョウゲンボウに似せた笠を被って農道を回り豊作を祈願する「ちょうげん様」と呼ぶ祭りが続いている。
科学的にもチョウゲンボウが根を食い枯らすモグラや、ネズミなど作物に被害を与える小動物を捕食するので豊作につながるとされる。・・・
以上は、屠蘇気分で「日本昔話し」風に、由来を創作したもの。誤解なきよう。

61号掲載(2004年1月)

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