アメリカのカモ飛来。
クビワキンクロが出た。夢のような事が次々起こる大阪城公園。クビワキンクロとコスズガモを大阪城公園で見たいと書いたが、まさか本当にやって来るとは。絶句。
大阪支部の探鳥会で松本和世さんが見つけた。彼女の鳥見眼には定評があるが、それにしても800羽を越すホシハジロ、キンクロハジロの中からよく見つけたものだ。
最近読んだ本を思い出した。『ニューヨークのある新聞が、セントラルパークに1羽の“迷鳥”がいると報じたときには・・・略。“迷鳥”は北アメリカではきわめて珍しいキンクロハジロで・・・略。キンクロハジロの雌は眠っていたが、しばらくすると頭を上げ、小さな茶色の毛の房を見せた。
「見てごらん」と老人はいって、その鳥を見つけたことを祝うかのようにコートの奥から両切りの煙草を取り出した』=(セントラルパークの鳥と人間たち ドナルド・ノウラー著。岩瀬孝雄訳。サイマル出版会)
この文のキンクロハジロをクビワキンクロと入れ替えると大阪城公園と同じ状況になる。アメリカでは、大阪城公園で大群で見られるキンクロハジロ1羽で話題になり、反対にこちらでは、アメリカでごく普通のクビワキンクロ1羽で大騒ぎ。
本紙も今回で50号を迎えた。1993年に初号発行して足掛け9年になる。自分で言うのも何だがよく続いたと思う。続けられた原動力は読者の皆さんのご支援であった。毎回たくさんの方々から言葉をかけられたり手紙をいただいたりして励まされた。「楽しみにしている」の一言がどれだけ力になったか。
1999年のメジロガモとアカハシハジロ、2000年のメジロガモと珍しいカモの出現が続いた大阪城公園。今年はクビワキンクロが現れた。きっと50号発行のお祝いに駆けつけてくれたと思うことにする。
50号掲載の巻頭言より(2001年11月)